20年目の情事

もう20年間W不倫生活をしています。不安がないと言えば嘘になる。でも、一人で生きていくには辛すぎる。

サイコパス 前編

もう、どう考えてもそうとしか思えない。

4番目の男、カズ。


背が高くなかなかのイケメン。

有名大学出身の彼は会社勤めをしながら自分の会社も切り盛りしている。


相当難しいであろう資格もたくさん持ち、ちょっと自己評価高すぎじゃない?と突っ込みたくなることもあるけど自信に満ちあふれたいいオトコ。


その甘いマスクでいつも囁く。


本当に君は綺麗だ

こんなに可愛い人、もうきっと出会えない

なんて綺麗な肌

絶対に離したくない

死ぬまで一緒にいよう


それ以上の褒め言葉探せる?

と思っちゃうほど彼の口から次々と流れてくる愛の言葉の数々


何度も何度も愛し合い、確かめあった。


どれだけ僕が君を愛してるかわかってほしい。

僕は心から君と誠実に向き合っていきたいと思っている。


ラブメールの数も数えきれない。


クリスマスの前

今年これが最後だね。って言いながら

背中からぎゅっと抱きしめられた。


もう、彼がいれば、

この想いを胸に抱いて生きていけたら、

私はこの上なく幸せで

全ての人に優しくなれる。


大切な人に心から愛されてるって、こんなに心満たされるんだ・・・・


私は本当に幸せだった。

どんな嫌なことがあっても、私は愛されてるし幸せだしそんな事くらい全然大丈夫、って思えた。


年末年始は会えない日が続く。

お互いの家族の元に帰らなくちゃならない。

世間のW恋愛カップルにはあまりありがたくない休暇。


そんな昨年最後の日

大晦日の夜。

彼からメールが来た。


『この1年本当にありがとう。

いい夢見させてもらった。

いい思い出にしたいので、この辺でやめとくね。

〜中略〜

本当に楽しかった。 ありがとう』



はっ!??

何の話?

何を言っているの?


ぼーぜん通り越して無になる私。