20年目の情事

もう20年間W不倫生活をしています。不安がないと言えば嘘になる。でも、一人で生きていくには辛すぎる。

サイコパス 後編

サイコパス


非常に口達者

利己的

感情の共感の欠如

平然と嘘をつく

結果至上主義

他人を操る

良心の欠如

刺激を求める

など。


多々あるようだけど、その多くに当てはまるカズ。

本物のサイコパスかは専門家でもない私には分からないが、間違いなくサイコ的な人。



こんなことってあるんだろうか?

あれだけ抱き合って、確かめ合って、

わずか1週間ほど前には

絶対に離さない。愛してる。

と、聞いてもないのに自分から愛の言葉を繰り返し囁き続けた最後がこれ?


ありえない


私の精神は一瞬に崩壊した。


こんなに幸せでいいんだろうか・・

とまで思っていた薔薇色の心は粉々に砕け散った。


こういう時、人はどうするんだろう?


私は衝撃のあまり無になったが、その次にはぶつけようのない怒りと悲しみで心がいっぱいになった。


だがしかし

不倫の関係など、どちらかの気持ちが冷めた時点で終わり。

それはわかってる。


でも、でもだ、

これはないんじゃないか?

あんまりすぎやしないか?

全て嘘だったの?


頭の中がぐちゃぐちゃになりながらもなんとか気持ちを落ち着かせる。


そして


『わかった。

いままでありがとう。本当に楽しかった。

でも最後がこんな終わり方なんてあんまりじゃない?

あなたのことはまだ好きだけど、終わりにしたいならそうしよう。

元気でね。』


と、壊れそうな気持ちをおさえて精一杯大人な対応をした。



するとまた返事。


『ごめんね。

でもさ、最近なんか君のヒマ潰しの相手させられてるような気がしてさ・・・

土日に全くメールがないって言われたから、努力して毎日メールしてるのに、君、このところメール毎日ないしさ・・・

年末だしさ、ちょうどキリのいいところで終わろうかと思って。』


と、わけのわからない不可解なメール。


キリがいいとか、

年末だからとか、

そんな理由で別れるのか??

もう10ヶ月も付き合ってきてか?

先週までは死ぬまで離さないはずが??


結局は私のことなどたいして好きでも何でもなかったんだな・・・

というか、頭がおかしいんじゃないの?とさえ思えてきた。


自分の振るまいで人がどのように感じようが一切気にならない。

人の悲しみなど全く共感できない。

平然と嘘をつく。

良心の欠如・・・


あのさ、あんたサイコパスだよね?

もう、そうとしか思えなくなった。


この上なくいとおしいはずの人が

この上なく許せない人にしか思えなくなっていた。


絶対に許せない。


もう、この言葉しか頭に浮かんでこなかった。

サイコパス 前編

もう、どう考えてもそうとしか思えない。

4番目の男、カズ。


背が高くなかなかのイケメン。

有名大学出身の彼は会社勤めをしながら自分の会社も切り盛りしている。


相当難しいであろう資格もたくさん持ち、ちょっと自己評価高すぎじゃない?と突っ込みたくなることもあるけど自信に満ちあふれたいいオトコ。


その甘いマスクでいつも囁く。


本当に君は綺麗だ

こんなに可愛い人、もうきっと出会えない

なんて綺麗な肌

絶対に離したくない

死ぬまで一緒にいよう


それ以上の褒め言葉探せる?

と思っちゃうほど彼の口から次々と流れてくる愛の言葉の数々


何度も何度も愛し合い、確かめあった。


どれだけ僕が君を愛してるかわかってほしい。

僕は心から君と誠実に向き合っていきたいと思っている。


ラブメールの数も数えきれない。


クリスマスの前

今年これが最後だね。って言いながら

背中からぎゅっと抱きしめられた。


もう、彼がいれば、

この想いを胸に抱いて生きていけたら、

私はこの上なく幸せで

全ての人に優しくなれる。


大切な人に心から愛されてるって、こんなに心満たされるんだ・・・・


私は本当に幸せだった。

どんな嫌なことがあっても、私は愛されてるし幸せだしそんな事くらい全然大丈夫、って思えた。


年末年始は会えない日が続く。

お互いの家族の元に帰らなくちゃならない。

世間のW恋愛カップルにはあまりありがたくない休暇。


そんな昨年最後の日

大晦日の夜。

彼からメールが来た。


『この1年本当にありがとう。

いい夢見させてもらった。

いい思い出にしたいので、この辺でやめとくね。

〜中略〜

本当に楽しかった。 ありがとう』



はっ!??

何の話?

何を言っているの?


ぼーぜん通り越して無になる私。

セックスレス

この問題に悩む人は思いの外多いかもしれない。


それぞれの家庭の事情はあるだろうが状況はほぼ同じ。

夜の生活がないということ。


この状況にある人がどれだけ苦しんでいるか、その立場になければきっとわからない。


心の安定には人肌の温もりが必要なのではないかと思う。

とりわけそれを心が必要としている間は。


男性なら外に気晴らしに行ける場所が多々ありそうだが、女性はそうもいかない。


それに初対面の好きでも何でもない相手とそういうことをするのはかなり上級者のような気がする。

きっと普通の女性には無理な人が多いように思う。


私もその一人。

20代前半には結婚した私。

旦那さんとしたのは20代半ばが最後。

もうあれから20年ほど経つ。


何度も何度も話し合い、この状況を改善してほしいと頼んだ。

病院に行って、薬をもらってきてほしいと懇願した。

ネットで治療薬が売ってるのではないかと調べた。


結婚式してわずか1年半ほどだろうか?

旦那は私を拒むようになった。


と、いうより出来なくなった。

どうしてもどうしても出来ないらしい。


数えられるのではないかと思うほどしか旦那とはしていない。


結局彼は薄ら笑いを浮かべるだけで一度も病院へは行かなかった。

そんなにたいしたことじゃないよね?

くらいでしか思ってないようだ。


何年も何年もこの問題でもめていたが、ある時言ってみた。

それほどまでにどうしてもしたくないなら、私は外にセフレを作る!と断言した。


が、旦那はそれでも病院へは行かなかった。

本気にしてなかったんだろうか?

私にそんなことできるはずないと思っていたんだろうか?


もうその日以来、私はこの話をするのをやめた。


するとどうだろう

家庭内は穏やかになり

波風一つ立たない平穏な家庭になった。


これがこの生活の始まり。

正しいか正しくないかそれはわからないが、

私は心穏やかに生きていける方法を探すことにした。